ブランフォードマルサリスについて

ジャズサックス奏者のブランフォードマルサリスを知ったのは確か大学に入って間もない頃なのでもう20年以上前の事です。その洗練されたサウンドに魅了され、僕の音楽の礎の一つになっていると思っています。
このジャイアントステップスなど凄い。ピアノトリオだけでも相当かっこいいのです(ブランフォードバンドの特徴だと思う)。ビバップスケールとアルペジオの組み合わせが絶妙で、その技量はもちろんのことだがソロの構成力が素晴らしいのです。(音遣いに関してはケニーカークランドの影響を強く受けているようにも感じる。)
ジャイアントステップスという曲は楽器の技術が上がってくると必ずと言っていいほど触れることのある曲だけに世界中様々なミュージシャンが演奏している。作曲者本人コルトレーンの演奏も技術的に卓越しているがマイケルブレッカーやボブミンツァー、パッとメセニーなども名演を残しているので興味がある方は探してみてみてください。

上記の演奏から20余年、かっこよさは健在ですがフレージングには変化も感じられます。もちろん手癖のような、自身の音楽性に沿った慣れ親しんだ下りといったものですが明らかに楽曲ごとでの音運びが違います。(呼吸の位置はあまり変わっていないと思われる。そこが彼の音楽性でもあると感じる。)
こちらもピアノのカルデラッツォからの影響を感じさせる。ジョシュアレッドマンとブラッドメルドーの関係もそうだが凄いミュージシャン同士はお互いの言語の理解に努め、その体得スピード、センスが抜きん出ている。その感性の素晴らしさを実感すると同時に演奏者、人間に対しての接し方が見えてくる。
ただブランフォードの好みだろうけどルイスナッシュ、ジェフワッツ、そしてこのジャスティンフォークナーというドラムに見られるサウンドの共通性は一貫している。僕もこのドラマー達はみんな好きだ。
というわけでとりとめもなくつらつらと書いてしまいました。読みづらくてすみません。また書きたい事が出てきたら書いてみようと思います。


追伸
ジャズ(特にダイナミクスの大きい、緩急のある演奏など)に関して。
サックスに関して、最近ではクリスポッター一色という感も否めないが音楽というのは常にアイドルを据えたりライバル同士の切磋琢磨を感じ取るだけのものでもない(ことジャズ界隈においては多い事なので)。奏者と聴者が一体となってその音楽に意識、精神を向けていく事で両者の垣根は無くなり、そのヴァイブを感じることができれば「音楽冥利」に尽きるのではないかと思います。